年金受給者でもお金を借りる方法4選と年金担保貸付制度について

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年金受給者で生活費が不足し、お金を借りたいと考えている人は少なくありません。

日本年金機構によると、夫婦2人が受け取る年金の標準金額は月額220,724円です。

比較的余裕を持って生活できる金額ですが、冠婚葬祭や医療費といった急な出費には対応しきれないでしょう。

この記事では、年金受給者におすすめの借入方法を紹介。

年金しか収入がない人がお金を借りる方法や、借入時に気を付けるべきポイントについてまとめました。

お知らせ

年金担保貸付については、令和4年3月末で申込受付を終了しました

引用:年金担保債権管理回収業務・労災年金担保債権管理回収業務|福祉医療機構


Contents

年金受給者が利用できる借入方法4選

年金受給者がお金を借りる方法は主に4つです。

  • 年金担保融資制度
  • リバースモーゲージ
  • 各種カードローン
  • 生活福祉資金貸付制度

上記以外の方法でも借り入れできますが、より多くの人が利用しやすい方法に絞ってご紹介します。

それぞれの方法ごとで借入条件や金利といった条件が違うため、適した借入方法は人によって変わります。

まずは、年金受給者が利用できる借入方法は具体的にどのような内容か、詳しく見ていきましょう。

年金受給者におすすめの借入方法
借入限度額 金利 使用用途 年金以外の収入
年金担保融資制度 最大200万円 2.8% 制限あり 不要
リバースモーゲージ 最大1億円程度 3%前後 制限あり 不要
カードローン 最大800万円程度 3.0~18.0% 自由
※事業資金を除く
必要
生活福祉資金貸付制度 利用する制度による なしまたは最大3% 制限あり 不要
年金担保貸付制度

年金担保貸付制度のメリット

  • 低金利でまとまったお金を借りられる
  • 年金を受給している人なら年齢制限なしで利用できる

年金担保貸付制度のデメリット

  • 融資まで時間がかかる
  • 連帯保証人が必要

年金受給者に最もおすすめな借入方法が、年金担保貸付制度です。

年金担保貸付制度とは、名前の通り年金を担保にお金を借りる制度。

年金の前借り制度とも言われ、将来受給される予定の年金を前借りする形で融資してもらいます。

返済は来月以降に支給される年金から差し引かれる形で返済となるので、手間もありません。

年金担保貸付制度は低金利なので、カードローンを利用するより負担なく借りられるのも大きなメリットです。

ただし申し込みから融資まで1ヶ月以上かかるため、時間的に余裕があるタイミングで申し込むのが無難でしょう。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージのメリット

  • 住宅を担保に高額借入が望める
  • 担保にした住宅にそのまま住み続けられる

リバースモーゲージのデメリット

  • 契約者の死亡を前提とした契約内容になっている
  • 担保とした不動産は原則売却しなければならない

持ち家やマンションといった不動産がある人は、不動産を担保としてお金を借りるリバースモーゲージがおすすめです。

リバースモーゲージは高齢者向けの住宅ローン。

不動産を担保とし、最後は担保に入れた不動産を売却して返済するので、年金以外に収入がない人でも利用できます。

借入金額は不動産の査定額に準拠しますが、他の借入方法より高額融資できます。

リバースモーゲージは、契約者の死亡を前提とした融資サービス。

そのため、年金を受給していても若者は利用対象にならないので注意しましょう。

リバースモーゲージで担保に入れた不動産は原則売却しなければなりません。

不動産を資産として相続できないので、相続人としっかり話し合って利用を決めてください。

カードローン

カードローンのメリット

  • 申し込んだその日に即日融資できる
  • 借り入れや返済がしやすい

カードローンのデメリット

  • 他の借入方法より金利が高い
  • 年金以外の収入が求められる

とにかく急いでお金を借りたいなら、即日融資に対応している消費者金融カードローンがおすすめです。

カードローンはお金を貸すことに特化したサービスなので、公的サービスと比べると融資スピードが非常に早いです。

借りたお金の使用用途も自由度が高く、様々なニーズに応えられます。

ただし、金利が高めに設定されているので借りすぎると返済しきれない負債が膨らんでしまいます。

便利な分リスクが大きい融資方法なので、利用は慎重に行いましょう。

カードローンでは貸し倒れを防ぐため、年金以外に無収入だと申し込めない場合もあります。

収入が年金のみの人は、年金だけで生計を立てている人でも申し込めるカードローンを選んでください。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度のメリット

  • 低金利または金利なしでお金を借りられる
  • お金の使用用途に合わせて様々な制度がある

生活福祉資金貸付制度のデメリット

  • 融資までに時間がかかる
  • 他の方法で借りられなかったときしか利用できない

生活福祉資金貸付制度は、国が定めた救済制度です。

低所得者や高齢者、傷病が原因で働けない障害者世帯を支援する目的で運営されています。

生活福祉資金貸付制度は様々な目的別に融資支援が用意されています。

「お金がなくて生活できない」「医療費が払えない」「学費が用意できない」といった様々なニーズに対応。

生活福祉資金貸付制度を利用できる対象者は限られており、条件が厳しいものの、低金利または無利子でお金を借りられるありがたい制度です。

年金以外に収入がなくても問題なく利用できます。

ただし、年金担保貸付制度と同じように、申請から融資まで時間がかかる点には注意してください。

年金受給者がお金を借りる方法で年金担保貸付制度が最もおすすめ

年金受給者に1番おすすめな融資方法は、年金担保貸付制度です。

定期的に受給される年金を担保として借り入れするため、年金以外の収入や資産は必要ありません。

年金を受給している資格さえあれば誰でも利用できる制度なので、他の融資方法より利用しやすいでしょう。

比較的まとまった金額を低金利で借り入れできるので、年金以外に所得がない世帯にもおすすめです。

ここから年金担保貸付制度について詳しく解説していくので、自分が利用できるか当てはめて考えてみてください。

年金担保貸付制度の概要
借り入れできる金額 ・10~200万円以内
・受給している年金(年額)の0.8倍以内
・1回あたりの返済金額の15倍以内
金利 2.1~2.8%
対象者 年金証書を持っていて、その年金の支払いを受けている人
担保 年金を受給する権利を担保とする
保証人 連帯保証人が必要
返済方法 偶数月に支給される年金から、返済分が差し引かれる

参照:年金担保貸付融資のごあんない

年金を担保にしてお金を借りる行為は福祉医療機構のみ認められている

「年金を受給する権利、または年金そのものを担保にしてお金を借りる行為は違法」と聞いたことがある人もいるでしょう。

年金を担保にお金を借りる行為は、独立行政法人福祉医療機構が対応している年金担保貸付制度のみ認められており、それ以外は違法です。

年金担保貸付制度を通した借入は法律で認められているので、年金を担保にお金を借りたい人は福祉医療機構の制度を利用しましょう。

年金担保貸付制度は、「年金を受け取る権利」を担保にお金を借りる制度。

各種年金証書を年金担保貸付制度の取扱金融機関に預けて担保とし、お金を借ります。

通常、年金は年金支給機関から金融機関を通して直接支給されます。

年金担保貸付制度を利用すると、年金支給期間と受給者の間に福祉医療機構が入り、借入や返済の手続きを行ってくれる仕組みです。

年金は定期的に必ず年金が支給され、年金を受給する権利は誰でも持っています。

「年金」という形で収入が得られる権利を担保とした借入なので、年金以外に収入がない人でも借りられるのが年金担保貸付制度のメリットです。

年金担保貸付制度は年金を受給している人であれば借りられる

年金担保貸付制度は、年金を受給している人であれば誰でも利用できます。

年金担保貸付制度で融資を受けられる対象者は以下の通りに定められています。

次の証書を持っており、現在その年金の支払いを受けている人

  • 厚生年金保険年金証書
  • 国民年金・厚生年金保険年金証書
  • 船員保険年金証書
  • 国民年金証書
  • 労働者災害補償保険年金証書

上記を見て分かる通り、年金証書を持っており、年金を受け取っているだけで利用できます。

年金以外の収入や年齢についての条件はありません。

ただし、以下の内容に該当する人は対象外となるので気を付けましょう。

  • 平成26年12月1日以降に借入申込みいただいた方で任意繰上返済をされ、融資決定時の完済予定日に到達していない場合
  • 生活保護を受けている場合
  • 年金担保貸付を利用中に生活保護を受給し、平成23年12月1日以降に生活保護を廃止となった方で、生活保護廃止後5年間を経過していない場合(令和4年3月末の予定で借入申込受付を終了するため、たとえ生活保護廃止後5年間を経過しても融資を利用できない場合があります)
  • 特別支給の老齢厚生年金を受給していた方で、65歳時の年金決定手続期間中の場合
  • 現況届または定期報告書が、未提出または提出遅延の場合
  • 年金の支給が、全額停止されている場合
  • 同一の年金で借入金残高がある場合(ご返済途中に追加借入はできません)
  • 反社会的勢力に該当する場合、反社会的勢力と関係を有する場合または反社会的勢力に類する行為を行う場合
  • その他、独立行政法人福祉医療機構の定めによる場合

引用:年金担保貸付融資のごあんない

上記の中で特にチェックして置かなければならないポイントは2つ。

  • 生活保護受給中の人は利用できない
  • お金の使用目的がギャンブルなどの場合は利用できない

年金担保貸付制度が利用できない条件はたくさん定められていますが、特に上記2点についてはしっかり確認しておきましょう。

また、年金担保貸付制度は「基金年金」を担保にできません。

基金年金とは、企業が運営している私的年金です。
国が運営している年金はすべての労働者が加入対象となり、支給を受けられます。
それに対し基金年金は、独立した特別法人が管理している年金です。
基金年金を導入している会社に勤めている人だけが加入できます。

つまり、「国以外が管理している年金を担保にした借り入れはできない」と定められています。

年金を担保にお金を借りる場合は、自分が受給している年金は対象か、必ず確認しておきましょう。

年金担保貸付制度は年齢制限がないので誰でも利用できる

年金と言われると「高齢者が受給しているお金」といったイメージもありますが、障害年金や遺族年金は年齢関係なく受給できます。

年金担保貸付制度では、厚生年金だけでなく障害年金、遺族年金も対象です。

申込条件に年齢は定められていないので、対象の年金を受給している20歳以上の人であれば申し込みできます。

高齢者以外でも、年金だけで生活が厳しい人は利用を検討してください。

年金担保貸付制度で借りたお金は様々な使用用途がある

年金担保貸付制度で借りたお金の使い道は、以下の内容に制限されています。

年金担保貸付制度の使用用途

  • 保険、医療
  • 介護、福祉
  • 住宅改修
  • 教育
  • 冠婚葬祭
  • 事業維持
  • 債務等の一括整理
  • 生活必需品の購入

福祉医療機構の公式サイトでは、「生活資金や旅行のために利用できない」と明記されています。

先程もご紹介した通り申込条件の中でギャンブルへの利用も禁止されています。

借りたお金を娯楽のためには使えないので注意してください。

また、申込時にお金の具体的な使い道や見積もりを提示しなければなりません。

例えば家のリフォーム費用として借りる場合、事前にリフォームでかかる金額の見積もりを出しておく必要があります。

「なんとなくお金がないので借りたい」といった曖昧な目的では借り入れできません。

具体的なお金の使い道と、どれだけの金額がかかるかを算出してから申し込みましょう。

年金受給額の8割まで借り入れできる!年金担保貸付制度の借入金額の決まり方

次に、年金担保貸付制度で借り入れできる金額について解説します。

年金担保貸付制度で借りられるお金は、以下の要件を満たす範囲内で決められます。

①10万円~200万円まで、1万円単位
※使用用途が「生活必需品の購入」の場合、10~80万円の範囲内となる

②受給している年金の年額0.8倍以内
※年金から源泉徴収されている所得税額に相当する金額を除く

③1回あたりの返済額の15倍以内
※融資額の元金相当を、2年6ヶ月以内に返済する

例えば条件②について、毎月の年金受給額を10万円、年額120万円の支給があると仮定します。

上記の場合、借り入れできる金額は96万円以内となり、200万円以下なので条件①もクリア可能です。

条件③について、1ヶ月に返済できる金額が1万円までだと仮定します。

上記の場合、借り入れできる金額は15万円以内です。

条件①~③すべての条件を満たす金額として決められるので、この場合借り入れできる金額は15万円までです。

自分がどれだけ借りられるのか、返済は難しくないか、申込前にかならず確認しておきましょう。

年金担保貸付制度は低金利で高齢者も返済の負担が少ない

年金担保貸付制度は、低金利でお金を借りられるのが大きなメリットです。

現在、年金担保貸付制度では以下の金利が適応されています。

年金担保貸付 年利2.8%
労災年金担保貸付 年利2.1%

※平成30年10月30日現在/最新

申し込むタイミングによって金利が変動する可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。

年金担保貸付制度の金利は3.0%以下と、カードローンを利用するより圧倒的に低金利です。

消費者金融と年金担保貸付制度で50万円借りたときの利息を比較してみましょう。

適応金利 借入期間 支払う利息
消費者金融カードローン 18.0% 3ヶ月間 約22,000円
年金担保貸付制度 2.8% 3ヶ月間 約3,500円

金利が約15%違うと、支払う利息は18,500円も差が出ます。

金利が低い年金担保貸付制度は返済の負担も少ないので、できる限り金利が低い借入方法を選ぶのが無難です。

年金担保貸付制度の申込方法と融資までの流れを解説

ここからは、実際に年金担保貸付制度を利用する方法と流れをご紹介します。

年金担保貸付制度の申込方法や融資までの流れを知らない人は多いので、事前にチェックしておきましょう。

1,年金を受け取っている銀行で申し込みを行う

年金担保貸付制度の申し込みは、自分が年金を受け取っている銀行または信用金庫の窓口から行います。

管轄しているのは福祉医療機構ですが、申込窓口は金融機関なので間違えないでください。

ゆうちょ銀行、農協(JAバンク)、労働金庫では年金担保貸付制度の受付を行っていません。

以上の銀行を年金受取口座にしている人は、年金受取口座の変更手続きから行ってください。

年金担保貸付制度の受付を行っている銀行は、福祉医療機構の受託金融機関一覧ページから確認できます。

2,審査が行われる

福祉医療機構で審査が行われます。

審査基準や審査内容は公表されていません。

申し込みから審査が終了するまでの目安は約4週間程度です。

3,審査結果の連絡

審査が完了すると、申込時に記入した連絡先に電話で審査結果が届きます。

審査に通過した場合、このタイミングで融資実行日の案内があるので、電話の指示に従ってください。

4,融資

審査に通過した金額が、融資実行日に振り込まれます。

5,返済

融資実行日の翌々月以降、偶数月から返済が始まります。

返済は、支給される年金から返済金額が差し引かれる形で行われます。

年金担保融資制度の申込時に必要な書類一覧

年金担保貸付制度に申し込むためには、指定された書類を用意しなければなりません。

申込時に必要な書類は以下の通りです。

必要な書類 備考
借入申込書 取扱金融機関にあるため、申込時にその場で記入します。
年金証書 自分が受給している年金の年金証書
現在の年金支給額を証明する書類 以下のうちいずれか1つで、最も新しいもの
・年金振込通知書
・年金額改定通知書
・年金決定通知書
・年金送金通知書
・年金決定通知書・支給額変更通知書
・国民年金(基礎年金の支払いに関する通知書
年金支払通知書
・年金等振込通知書年金等送金通知書
・支給決定通知書
・変更決定通知書
・スライド等による変更決定通知書
実印、印鑑証明 発行後3ヶ月以内
写真付きの本人確認書類(1点) ・運転免許証
・運転経歴証明書(平成24年4月1日以降発行のもの)
・小型船舶操縦免許証
・パスポート
・外国人登録証明書(在留の資格が特別永住者のものに限る)
・在留カード
・特別永住者証明書
・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
・個人番号カード
・住民基本台帳カード
資金用途の確認資料 見積書、請求書など

借入申込書は金融機関で申込時に作成するため、事前の準備は必要ありません。

印鑑証明や見積書は事前に取得しておかなければならないので注意してください。

年金担保貸付制度で借りたお金は年金から自動で差し引かれるので返済の手間なし

1回の返済金額 1万円~支給される年金の3分の1以下のうち、任意の金額
返済方法 支給される年金からの天引き
返済開始日 融資月から数えて翌々月以降の偶数月から

年金担保貸付制度で借りたお金の返済は、融資を受けた月から数えて翌々月以降の偶数月から始まります。

例えば2022年1月に融資を受けたとしたら、返済開始は4月からです。

返済方法は、支給される年金から返済金額が差し引かれる形で返済されます。

通常、お金を借りた時は振込や引き落としで期日までにお金を返済しなければなりません。

返済を忘れると遅延扱いとなり、信用情報に傷が付いてしまう可能性も考えられます。

そのため返済が負担やストレスになっている人も少なくないでしょう。

年金担保貸付制度は、融資を受けた以降の年金から差し引かれる形で返済されるため、返済し忘れません。

1回の返済金額は、規定の範囲内であれば任意に決められます。

返済金額の下限は1万円で、上限は支給される年金の3分の1まで。

支給される年金が20万円だった場合、返済上限は6万円程度です。

借りたお金は、借入から2年6ヶ月以内に完済する目標で返済を行います。

決められた期限内に返済できるよう、借りすぎには注意しましょう。

年金以外にまとまった収入がある時は、任意で繰り上げ返済も可能です。

ただし、完済予定日より前に完済しても、当初の完済予定日までは追加で借り入れできません。

年金担保貸付制度を年金受給者がお金を借りる際の注意点

年金担保貸付制度は、年金受給者がお金を借りる方法として最もおすすめできます。

メリットの多い制度ですが、もちろんデメリットや注意しなければならないポイントもあります。

お金が関わる問題なので、申込前に必ずチェックしておきましょう。

連帯保証人を用意する必要がある

年金担保貸付制度を利用する場合、原則連帯保証人を用意しなければなりません。

連帯保証人は基本的に3親等内の親族が好ましいので、事前に連帯保証人をお願いしておきましょう。

連帯保証人は、保証できる人物かどうか福祉医療機構で審査が行われます。

3親等内であれば誰でもいいわけではないので、金銭的に自立しており、信用情報に傷がない人を選びましょう。

また、融資を受けたお金の返済中に契約者が死亡した場合、債権は連帯保証人に移行します。

残債を連帯保証人が支払わなければならないので、以上の点も踏まえてしっかり話し合って決めてください。

どうしても連帯保証人が見つからない場合、保証料を支払って信用保証機関に保証してもらう方法もあります。

信用保証機関の利用を希望する人は、申込時に窓口で伝えてください。

生活保護を受けている人は利用できない

先程も説明した通り、生活保護を受けている人は年金担保貸付制度を利用できません。

生活保護で受給したお金は、借入金の返済に充てられないためです。

生活保護を受給中にお金を借りると、今後の受給金額が減らされてしまう可能性もあります。

どうしてもお金が足りなくて困っている人は、ケースワーカーに相談してお金のやりくりを見直しましょう。

年金担保貸付制度は2022年3月末で受付終了する

現在、年金を担保にお金を借りる行為を唯一認めている年金担保貸付制度ですが、2022年3月31日をもって新規受付の終了が決まっています。

2022年4月以降は年金を担保にお金を借りられなくなるので、年金受給者は注意してください。

3月31日まではこれまで通り受付と融資業務が続きます。

年金以外に収入がなく、借入先に困っている人は早めに手続きを行いましょう。

新規受付が終了した4月1日以降も、返済は予定通りで問題ありません。

繰り上げて返済する必要はないので、安心して利用してください。

年金担保貸付融資で借りたお金は免除にならない

お金を借りすぎて返済が滞ると、最終的に債務整理や自己破産を行います。

自己破産を行うと借入金の返済は免除されますが、年金担保貸付制度で借りたお金は免除されません。

担保としているのが年金の受給権利なので、年金を受給する権利が続く限り返済しなければなりません。

返しきれないほどのお金を借りると自己破産でも処理できなくなってしまうので、無理のない範囲で計画を立てて借り入れしましょう。

不動産を持っているならリバースモーゲージでまとまったお金を借りられる

ここまでは、年金を担保にお金を借りる方法について説明してきました。

年金担保貸付制度は非常に便利ですが、支給される年金が減ってしまうデメリットもあります。

年金の支給額を減らされたくない人は、年金担保貸付制度以外の方法がおすすめです。

持ち家やマンションがあるなら、リバースモーゲージが最適でしょう。

リバースモーゲージの概要
借り入れできる金額 不動産査定額の5割程度で、上限1億円程度
金利 約3.0%前後
対象者 不動産を持っている高齢者
担保 不動産
保証人 原則不要
返済方法 契約者が死亡した時に、不動産の売却または相続人の一括返済

リバースモーゲージとは、不動産を担保にお金を借りる不動産担保ローンの一種です。

通常の不動産担保ローンでは、融資してもらったお金は原則返済しなければなりません。

どうしても返済しきれなかった時に不動産を売却して返済に充てます。

しかしリバースモーゲージは、最初から不動産の売却を前提に借り入れる制度です。

返済は毎月利息分の金額のみ行い、元金の返済は契約者が死亡した時に一括で行います。

返済方法は住宅の売却または、相続人の現金一括返済です。

手元に不動産が残らないデメリットはありますが、生前の返済は利息のみでいいため負担が少なく済みます。

契約者の死亡を前提とした高齢者向けの制度なので、収入が年金だけの人でも問題なく利用できます。

不動産を売却する形で返済すれば、負債を相続人に残す心配もありません。

リバースモーゲージで借りたお金の使用用途は、主に以下の通りです。

  • 老後の生活資金
  • 医療、介護費用
  • リフォーム費用
  • 住宅ローンの完済費用
  • 旅行や趣味など、娯楽費用
  • 子どもへの生前贈与

年金だけで生活が苦しい人は生活費や医療費として利用できます。

生活に余裕をもたせたい人、年金だけではできない娯楽を楽しみたい人にも向いているでしょう。

お金の使用用途が年金担保貸付制度よりも自由なので、老後の資金調達方法として注目されています。

リバースモーゲージを契約したあとも、担保としている不動産には住み続けられるので安心です。

リバースモーゲージは取り扱い銀行が決まっている

リバースモーゲージは公的な制度ではなく、金融機関のローン商品です。

そのため、リバースモーゲージを取り扱っている銀行に申し込まなければなりません。

リバースモーゲージは便利な制度ですが、まだ浸透しきっていないため取扱金融機関も少なめ。

地域に密着した地方銀行のリバースモーゲージは、営業範囲内に居住している人しか申し込めないので注意しましょう。

一例として、リバースモーゲージを取り扱っている金融機関についてご紹介します。

金融機関 商品名
三井住友銀行 リバースモーゲージ型住宅ローン
東京スター銀行 リバースモーゲージ「充実人生」
みずほ銀行 リバースモーゲージローン
「みずほ リ・バース60」
楽天銀行 リバースモーゲージ

メガバンクよりも地方銀行の方が好条件の場合もあるので、まずは近くの地方銀行でリバースモーゲージを探してみましょう。

不動産は売却するので相続人としっかり話し合っておく

先程も説明した通り、リバースモーゲージは基本的に住宅を売却して返済します。

不動産を相続できなくなるので、相続人と話し合って利用を決めましょう。

不動産を売却しない場合、相続人が一括で返済しなければならないリスクもあります。

契約者が死亡後の不動産や資産をどう取り扱うか、リバースモーゲージの申し込み前に話し合って決めておくとスムーズに済みます。

年金以外に収入があるならカードローンでも借りられる

年金以外にも収入があるなら、消費者金融や銀行カードローンを利用できます。

カードローンで借りたお金は事業資金以外なら自由に使えるので、これまでに紹介した方法より自由度が高いです。

消費者金融なら申し込んだその日にお金を借りられる即日融資にも対応しており、どうしても今すぐお金を用意しなければならない人に向いています。

年金受給者がカードローンを利用できるのか、利用方法の詳細やおすすめのカードローンをご紹介します。

年金以外の収入がある70歳以下でないと利用が難しい

カードローンを利用する場合、基本的に年金以外の安定した収入が必要です。

年金も定期的にお金を受け取る制度ですが、金融機関では年金を「安定した継続収入」とは認めない場合が多いです。

年金受給者がカードローンを利用する場合、年金以外に安定した収入が求められます。

また、カードローンの申し込みには年齢制限があります。

カードローンの申し込みは65~70歳までと制限されている場合が多いので、70歳以上の高齢者は申込み条件をクリアできません。

各カードローンの申込み条件について、以下の通り定められています。

キャッシングローンの場合、満20歳以上69歳までの定期的な収入がある方であれば、お申込みいただけます。
※お取引期間中に満70歳になられた時点で、新たなご融資は停止となりますのでご注意ください。
※一部商品によって異なります。

引用:よくあるご質問|アイフル

年齢18~74歳のご本人に安定した収入のある方。
※主婦・学生でもアルバイト・パートなど安定した収入のある場合はお申込いただけます。
ただし、高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)はお申込いただけません。
また、収入が年金のみの方はお申込いただけません。

引用:お申込条件と必要なもの|プロミス

プロミスのように「年金のみでは申し込めない」と明記されている場合もあるので、申込条件は必ずチェックしておきましょう。

どうしてもカードローンでお金を借りたい場合、アルバイトを始めて年金以外の収入を得るか、年金のみでも借りられるカードローンを選んでください。

年金受給者でも利用できるおすすめのカードローン

ここからは、年金のみしか収入がなくても利用できるカードローンをご紹介します。

高齢者向けや年金受給者が利用できるカードローンは非常に限られていますが、中には対応してくれる貸金業者もあります。

融資を急いでいる人は、年金受給者でも申し込めるカードローンを利用しましょう。

高齢者の申し込みが多いベルーナノーティス

利用条件 20~80歳までの安定した収入のある方で、当社基準を満たす方
金利 4.5~18.0%

ベルーナノーティスは、女性や高齢者に特化したカードローンです。

大手消費者金融が年齢制限を70歳までとしているところ、ベルーナノーティスは80歳まで借入可能。

70歳以上の借り入れが51.4%※にも登る、高齢者向けのカードローンです。
※参照:ベルーナノーティス

また、申込画面の雇用形態に「年金」という選択肢があるため、収入が年金だけの人でも申し込みできると判断できます。

年金受給者でなるべく早くお金を借りたい人は、ベルーナノーティスがおすすめです。

ゆうちょ銀行に貯金しているなら自動貸付が利用できる

利用条件 ゆうちょ銀行の担保定額貯金または担保定期貯金に預金がある人
金利 担保定額貯金を担保とする場合
返済時の約定金利(%)+0.25%
担保定期貯金を担保とする場合
預入時の約定金利(%)+0.5%

カードローンとは扱いが違うものの、ゆうちょ銀行に預金がある人はゆうちょ銀行の自動貸付がおすすめです。

自動貸付とは、お金を引き出す際に預金金額を上回った場合、不足したお金を自動で貸し付けてくれる制度です。

自動貸付で借りられる金額は預金金額の90%以内。

10万円預金があれば、9万円までなら自動で貸し付けてもらえます。

自動貸付では預金を担保として借り入れるので、年齢や収入に制限はありません。

ゆうちょ銀行に預金さえあれば、年金しか収入がなくても借入可能です。

金利もカードローンより非常に低いので、ゆうちょ銀行を利用しているなら1番最初に検討しましょう。

信用金庫の年金受給者向けローンなら利用しやすい

年金を信用金庫で受給している人は、信用金庫の年金受給者向けローンが利用できます。

年金受給者向けローンとは、60歳以上のシルバー世代に向けた融資サービス。

1年間に振り込まれる年金受給金額の範囲内で、自由に利用できるお金を借りられます。

年金担保貸付制度と違い、年金は担保にせず、無担保で利用できます。

利用条件は年金受給者向けですが、一般的なカードローンに近いローン商品です。

例えば興能信用金庫では、以下の条件で年金受給者向けローンを展開しています。

シルバーライフローン(年金受給者向け新型フリーローン)
利用条件 ・満60~70歳未満で、完済時の年齢が75歳以下
・興能信用金庫に年金の受給口座がある
・興能信用金庫のち区内に居住している、または地区内の事業所に勤務している
・オリエントコーポレーションの保証が受けられる
使用用途 事業資金、旧債返済資金以外なら自由
借入金額 10~100万円
金利 5.500%
担保 不要
保証人 不要

信用金庫は、銀行が対応している営業範囲内に住んでいる人しか利用できません。

自分が住んでいる地域の信用金庫にシルバーローンがないか確認してみましょう。

カードローンは年金だけでの返済が大変なのでよく考えて利用する

カードローンは使用用途が自由で即日融資に対応しており、他の借入方法より便利に利用できます。

しかし金利が高く、気軽に借りられるため、必要以上に借りすぎると返済しきれないトラブルを抱えてしまう可能性が高いです。

特に年金以外に収入がないと、返済が大きな負担となります。

どうしてもお金を借りたいなら、カードローンでなければならないのか、本当に返済しきれる金額か、事前にしっかり検討しましょう。

どこからも借りられないなら生活福祉資金貸付制度を検討する

ここまで紹介してきた方法でお金を借りられない人や、それだけでは生活が厳しい人は、生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。

生活福祉資金貸付制度とは、低所得世帯や高齢者世帯を経済的に支える目的で運営している、国からお金を借りる制度です。

生活福祉資金貸付制度の貸付対象は以下の通り。

・低所得世帯
おおむね市町村民税非課税程度の低所得の世帯。ただし各県の実態に即した弾力的な運用が認められている。

・障害者世帯
身体障害者、知的障害者、精神障害者で手帳の交付を受けている者や障害者総合支援法によるサービスを利用する者等の属する世帯。
低所得であることは要件とされていない。

・高齢者世帯
65歳以上の高齢者の属する世帯。福祉資金は日常生活上療養又は介護を要する高齢者が属する世帯に限られている。
高齢者を含む4人世帯でおおむね年収600万円程度の世帯。

引用:生活福祉資金貸付制度について

生活福祉資金貸付制度は、大きく分けて以下4つの融資制度があります。

制度名 主な目的
総合生活支援資金 生活再建に必要な生活費
福祉資金 ・医療、介護、就職するための技能習得など、福祉に関わる費用
・一時的に生活を再建させるための費用
教育支援資金 低所得世帯が高等学校、大学、専門学校に就学するための費用
不動産担保型生活資金 不動産を担保として生活費を借りる

参照:生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。 | 政府広報オンライン

各制度ごとに、融資金額や借入期間が違います。

年金だけで生活ができない人は、総合生活支援資金の利用がおすすめです。

生活福祉資金貸付制度の申し込みは、全国の社会福祉協議会で受け付けています。

電話または窓口で相談できるので、まずは社会福祉協議会で話を聞いてみましょう。

年金と貸付制度だけでは苦しいなら生活保護を検討する

年金とその他の借り入れを利用しても生活が苦しい人は、根本的な資金繰りの見直しが必要です。

慢性的にお金が不足して困っているなら、生活保護の利用も検討しましょう。

年金と生活保護は併給できるので、今より生活を楽にできる可能性があります。

生活保護の条件は厳しく定められているため受給できるかはわかりませんが、相談はいつでも可能です。

受給金額は各都道府県によって違うので、まずは市役所に問い合わせてみましょう。

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